しばらくウォッチしていない間に、AxelSpace社の最初の小型衛星WNISAT-1について、残念なニュースリリースがでていました。

WNISAT-1で発生した不具合の詳細とその対策について – Axel Space (2014-05-16)

打上後、初期性能確認のリリース以降、北極域の撮像結果についてのリリースがなかったので心配していたのですが、下記の不具合によりメインミッションの遂行は不可能になったとのことです。

  • スターセンサ AxelStar-1の消費電力増大にともなう使用停止
  • ミッション系ストレージのアクセス制御部(マルチプレクサ)部の故障

ミッション系ストレージの故障が致命的です。ミッションカメラのデータをバス系ストレージに書けない設計であること、ミッションストレージをバス系ストレージと分離しているのに、ミッションセンサとバス系ストレージ、ダウンリンク系がシリーズに接続されていない等、(それなりの理由があるにしても)特殊な設計になっている点に起因して不具合とミッション不達が発生しているのは一般のファンとしてひじょうに悔やまれます。リカバリミッションでは、バス系とミッション系の切り分けを変更し、ミッションデータをバス系ストレージにも書き込めるようにするそうです。同時に、ミッションストレージにはバス系からのアクセスは(資料のブロック図を見た限りは)発生せず、ミッションカメラのデータがダイレクトにストレージに流れるトポロジになっています。

スターセンサについてはCCD制御回路部の放射線損傷が消費電力増大の原因と推定されているようです。企業活動なので難しいのかもしれませんが、具体的にどの部品が壊れたのか、それはスペースグレードだったのか民生品だったのか等の詳細とlessonsを公開してもらえると、コミュニティ全体の発展のために建設的な失敗にできると感じます。同じ型のスターセンサが搭載されるほどよし1号機では今回の不具合原因部は対処されているそうです(どのように?)。

クライアントであったウェザーニュース社は内心どのように思っているのかわかりませんが、リカバリミッション(WNISAT-1R)も一緒に遂行していくようです。まだ不安定な(でも発展性のある)超小型衛星技術に投資を続ける姿勢、たいへん尊敬します。

http://www.axelspace.com/solution/wnisat1/