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あらすじ

リエちゃんの家の飼い猫だったルドルフは、魚屋のおやじに追いかけられて飛び乗った幌付きトラックで、目が覚めたときには東京に来ていました。見知らぬ街で知り合った猫(イッパイアッテナ)に助けられつつ、野良猫としての生き方を教わります。いつか自分の街に帰ることを夢見つつ、人間の文字の勉強に励んでいたルドルフでしたが、ひょんなことから、元住んでいた町の名前がわかります。その街に帰る方法が見つかって、いよいよ出発だとなったときに、一大事件が起こってしまうのですが、そのときルドルフがとった行動は。

児童文学の再読がブームになりつつあります。といっても、「ルドルフとイッパイアッテナ」については、子どもの頃に本で読んだのかどうか、もはや記憶が定かではありません(NHK教育のアニメ版を観ただけだったかもしれない?)。なので、やっぱり読み始めると新鮮で、どんどん引き込まれます。児童文学の名作は、心躍る冒険が描かれているだけでなく、上手に大人の世界をかいま見せてくれており、大人になってから読んでみるとはしばしに作者の細かな配慮が読み取れます。

ルドルフとイッパイアッテナと熊先生が一緒に小学校の職員室で、テレビを見ていたとき、たまたま住んでいた町の名前がわかるシーンがあるのですが、街の名前が分かった瞬間のルドルフの喜びと、学級文庫の地図を開いて一緒にその場所を確認するときの興奮が手に取るように伝わってきます。最高にドキドキしました。

出てくる猫はどいつも性格はさまざまな人間味ならぬ「猫味」をもちつつも、大事なところでは義理堅くて、作者の猫観に猫好きの人はみな共感できるはず。野良猫たちと関わる人間の登場人物もやさしい人が多く、なごみます(とくに、給食のおばちゃんと熊先生)。NHKアニメ版は柔らかいタッチで、イッパイアッテナもちょっとかわいい感じがしますが、本書の挿絵では結構厳つく、どっちかというと怖いふうに描かれています。

この本もシリーズものなので、続編も読んでみます。

20150107 読了

NHKで放送されたアニメ版:

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