MP3プレーヤーをつくった

ここ数年、iPhoneやAndroidの音楽プレーヤーアプリが、アップデートで使いづらくなったり、起動が遅くなったり、一時停止時に再生箇所を忘れるようになったりしてきました。使いやすさと買い切りの潔さが好きだったTune Inというラジオアプリも、いまでは起動するたびにサブスクリプション会員の広告を全画面表示してくるのでつかいたくなくなってしまいました。

横道にそれますが、AppleもGoogleも他の有名アプリ企業の多くも、ユーザを無視して社内のKPI達成だけが重視されたり、たかだか数年というretentionの中で、なにかを変えた感じを出したい人たちによって、その場しのぎの見た目の変更が繰り返されてきました(Youtubeのバックグラウンド再生の廃止(それによって引き起こされる環境負荷)、Dropboxのデザインの崩壊や、標準音楽アプリでの過激なApple Music推し・音楽再生機能の劣化。スケールの小さいところではFeedlyのUIの劣化)。

なんというか、iPodや初期のiPhoneを使っていたころのワクワクした感じはなくなってしまっています。テクノロジーが退化していってる感じがします。

ということで、音楽プレーヤーアプリが使いづらくて、家事やシャワーの間に音楽をかけたりするのが面倒になってきました。劣化していく一方の携帯電話のアプリには頼らないで、現実の世界でのものづくりとか、タンジブルなインタフェースに揺り戻すのがいいのではないかと思って、自分でMP3プレーヤーを作りました。

内側はAliexpressで買ったMP3再生モジュール(GPD2846A)と、スピーカーと、単三電池(eneloop)×3。スイッチはSim Lim TowerのASK Electronicで買ったスイッチ。MP3再生モジュールは、US$0.5です。信じられませんが、この値段で変えます。FATでフォーマットしたMicro SDカード(ベーシックな”SD”規格のものを使いました。SDHCとかSDHXは試していません)にMP3ファイルを書き込んで、電源を入れると自動的に再生が始まります。プレイリストをつくったりはできませんが、次/前の曲へのジャンプはできるので、昔のミックステープみたいな感じで聞くことになります。ケースはAutoDesk Fusion 360で設計して、3D Print Singaporeで出力してもらいました(出力がGD31、送料SGD4の合計SGD35 = 3000円くらい)。

やっぱり自分でつくったものは愛着がわきます。電源を入れてすぐ使えるのも、家事やシャワーのときに使うのにあっていました。

Qiitaにも(型番は違うけど見た目は)同じモジュールをつかった方のレポートが載っていて、とても参考になりました。