Category: AstrophysicsPage 1 of 7

太陽X線観測Cubesat MinXSSの論文

コロラド大学が打ち上げた、3U CubesatにAmptekの小型のX線検出器(シリコンドリフト検出器SDD)を搭載の太陽X線観測衛星MinXSS (Wikipediaの記事)の論文が出ています。 Moore et al., “The Miniature X-ray Solar Spectrometer (MinXSS) CubeSats: spectrometer characterization techniques, spectrometer capabilities, and solar science objectives.”, 2016 数年前からCubesatのサイエンス利用に興味があってウォッチしていたのですが、2016年の5月にISSから放出され観測を開始。姿勢制御装置のXACT (Blue Canyon Tech社)も高精度で3軸姿勢制御を確立(1σのcross-axis pointing errorが8秒角というプレスリリースが出ています。すごい!)して、太陽フレアに伴うX線の観測をちゃんと実施できているようです。初期観測データはこちら。…

HongoWikiを移設しました

新しいサーバへ移動しました 東京大学のサーバが不釣になって見られなくなっていたHongoWikiを、自前のサーバに移動して再開しました。新しいアドレスは以下のとおりです。そのうち、Googleの検索ランクも戻ってくると思います。あと、Mediawiki→Jekyllの変更にともない、コメント管理サービスDisqusを使ってコメント欄も付けているので、質問や改善のコメントがある人は気軽に書き込んでください。 HongoWiki – http://ytkyk.info/wiki/ (トップページからページの一覧が見れます) トップページと同じ説明文章を掲載しておきます。ページの追加や内容の更新に興味のある人は、コメント欄から連絡してください。 HongoWikiは2007-2016年に東京大学牧島・中澤研のサーバ上で公開されていた、 高エネルギー宇宙物理学分野の研究に関連した情報をまとめるためのWikiです。 詳細はHongoWikiについてを参照してください。 2016年にサーバトラブルにより閲覧できなくなっていたものを、新しいサーバで公開することにしました。記録的な意味がほとんどで、情報のアップデートはあまりされないと思います。 もし、ギブアンドテイクの精神で、自分でページを作って室の向上に貢献したいというえらい人がいたら、コメント欄で連絡してください。Jekyllのgitレポジトリを編集できるようにして、ページの追加・内容の改修ができるようにします。Markdownで記事が書けて、gitが使えれば大学院生・ポスドク・大学のスタッフ、誰でも歓迎です。 ★暫定的な注意事項★ 画像を含むページはまだ復元できていません。本郷のサーバのバックアップから、画像データをサルベージできた段階で追加します。 よく閲覧されているページへの直接リンク Xspecで自分のモデルを関数として入れる Xspecで自分のモデルをテーブルとして入れる Xspec11ユーザのためのXspec12入門講座 nano【標準で入っていて使い勝手の良いコマンドラインエディタ】 [tmkm-amazon]4883375536[/tmkm-amazon]

ASTRO-H衛星の紹介ビデオ公開!【打ち上げまで1週間】

2016年2月12日に迫ったASTRO-H衛星の打ち上げにむけて、紹介ビデオがYoutubeで公開されました。ASTRO-Hがさまざまな天体をX線で観測する理由や、日本と世界中の研究者が作り上げた4種類の最先端の観測装置が、わかりやすく解説されています。ぜひご覧ください! X線天文衛星ASTRO-H – 熱い宇宙の中を観る – X線天文衛星ASTRO-H 打ち上げ特設サイト

RubyFitsでFITSファイルをCSVファイルとしてダンプする例題

RubyFitsでFITSファイルをCSVファイルとしてダンプする例題をgistにアップロードしました。 以下のようにして実行すると、入力したFITSファイル名の後ろにHDU名をくっつけたファイル名で、CSVファイルが生成されます。 実行前には、RubyFitsをインストールしておく必要がありますが、Macの場合はHomebrewで とすればインストールできます。 conver_fits_to_csv.rb – a short example of FITS Table HDU read access using RubyFits

雷雲ガンマ線検出器の温度プロット – AT&T M2X

今シーズンの観測に向けて鋭意開発中の雷雲ガンマ線検出器(関連: カミナリ雲からの謎のガンマ線ビームを追え!on アカデミッククラウドファンディング「アカデミスト」)ですが、観測サイトへの展開を来週にひかえて、現在は研究室で長時間の試験運転中です。ガンマ線の計数データや温度などのHousekeeping(HK)データは、通信回線経由で解析サーバに伝送しているので、ほぼリアルタイムで検出器の動作状況がモニタできます。(検出器の内部では、Raspberry Pi 2上でデータ取得ソフトウエアとHK取得ソフトウエアが動作していて、とくにHK取得ソフトウエアは、SPI通信でHK収集用のADCから温度計などのアナログ値を読みだしています) いままでは、解析サーバ上で自分でデータをプロットして、そのプロットをwebサーバにrsyncすることで、状況をモニタしていたのですが、最近のIoTプラットフォームを活用すると、HKのモニタはもっと簡単になりそうです。当初、Xivelyを利用しようと思っていたのですが、無料アカウントの発行が遅れがちになっているという情報があったので、代替候補として上がっているAT&TのM2Xを利用してみました。 使い方はいたって簡単で、以下の手順にしたがってデータをcurlでPOSTするだけで、クラウド上にデータが保存され、ウェブブラウザで閲覧可能なプロットが作成されます。 ユーザ登録 デバイス登録(今の場合、1台の雷雲ガンマ線検出器を1個のvirtual deviceとして登録) ストリーム登録(デバイスから出てくるデータ、たとえば「ADCボード上の温度」などを登録) curlコマンドでデータを送信するためのスクリプトが表示されるので、それをコピー Raspberry Pi上でHK取得ソフトウエアとcurlコマンドをつなげて、温度データを1分ごとに送信する デバイスの管理画面では、何分前に最新のデータが届いたか、などが確認できます。 以下のプロットが、growth-fy2015dデバイスのtemperature-pcbストリームをプロットしたときのサンプル。 リアルタイムデータは以下です(検出器が動いていて、データが送信されている場合、デーテ店が表示されます)。 データをPOSTするためのcurlコマンドの例 以下の様なcurlコマンドをRaspberry Piで実行しています。JSONデータのvalue:にあたえる「値」は、たとえば、HK読み出しソフトウエアで取得した温度の実数値。 無料プランで送信できるデータ量 2015年11月時点では、無料プランでは10デバイスまで、かつ、100,000データポイント/デバイスまで利用できます(AT&TのPricingの解説ページ)。有料プランでは年間99ドルからのプランがあるようです(料金の計算は少し難しそう)。  

クラウドファンディングでサクセスしました!

学術系クラウドファンディングプラットフォーム「アカデミスト」で2015年8月から60日間募集していた「カミナリ雲からの謎のガンマ線ビームを追え!」が、目標金額の160%を集めて終了しました!みなさんのサポートのおかげで、ガンマ線検出器は2台くらい製作できそうです。ありがとうございます。 早速、今年の冬の試験観測に向けて、検出器の製作を京大の榎戸さんと協力しながら進めています。昨日今日は、検出器に組み込む電子回路のFPGAロジックとRaspberry Pi用のデータ取得ソフトウエアのデバッグをしていました。つまらないバグでFPGAボードとRaspberry PiのUSB-UART通信が途中で止まってしまっていたのですが、土曜の夕方に解決。今後、Version Bの電子回路ボードが納入されたら、検出器と接続して長時間動作試験をし、信頼性を高めていきます。 試験観測の進捗状況はアカデミストのプロジェクトページやFacebookで随時紹介していきます。 アカデミストでは、現在以下の2件のプロジェクトが進行中です。ビデオを見るだけでも「こういう研究分野があるのか」という新しい視点を得られるとおもいます。よかったらぜひ。 なぜ世界にはいろいろな言語があるのだろうか?(2015年12月12日まで) お腹の中で子育てする魚「ハイランドカープ」の謎に迫る!(2015年11月26日まで)

Thunder Cloud Project – クラウドファンディングによる雷雲の観測実験

【8/18 22:50の追記】すでに15人の方がサポートを表明してくれています!ありがとうございます。 突然ですが、8月17日から大学時代の研究室の先輩 榎戸輝揚さん(現在 京都大学)とクラウドファンディングのプロジェクトを始めました。普段は人工衛星を使って宇宙の観測をしている二人が、日本海側地域の冬の雷雲の中で起きている「静電場による粒子加速とガンマ線放射」という不思議な現象に、観測実験から迫る研究プロジェクトです。今回のプロジェクトを3分で解説したビデオを作成して、リンク先のプロジェクトページで公開しているので、ぜひご覧ください。ぼくは、ガンマ線検出器の電子回路の設計・製作と観測データ処理のためのソフトウエア開発を担当します。 このプロジェクトでは、学術系クラウドファンディングサイトの「アカデミスト」のプラットフォームを利用し、2015年8月17日〜10月15日の60日間にわたって、目標金額100万円を設定して皆さんからのご支援を募っています。いただいたご支援は、ガンマ線観測装置の製作や観測を実施する石川県もしくは福井県の実験場所への旅費などに使わせていただきます。支援金額によって、特製のクリアファイルやマグカップ、USBメモリなどさまざまリワードが用意されています。詳細はリンク先でチェックしてみてください。 Thunder Cloud Project / アカデミスト   以下、やや長いですが、背景の解説です。 「粒子加速」は、宇宙空間の様々な場所、たとえば太陽表面での爆発現象(フレア)や、中性子星(直径10kmで地球の45万倍くらいの質量という超高密度の星)の近くなどで、電子や陽子が高速に近い速度まで加速されていることが知られています。宇宙空間で加速された粒子(宇宙線)の一部は地球にも到達して、1分間に数百個くらい私達の体を突き抜けています(ただし、大部分は飛んできた宇宙線そのものではなく、宇宙線と地球大気の原子がぶつかって生成されるμ粒子)。宇宙空間で起きている粒子加速では、粒子へのエネルギー注入に「磁場」が大きな役割を果たしていると考えられています。 また、人工的には理研のRIBFやCERNのLHCに代表される「粒子加速器」の中で起こすことができます。一方で、宇宙空間や加速器の内部と比べると、大気中では、加速された粒子にとってエネルギーロスの原因となる大気分子がたくさん存在します。そんな状況の中でも、特定の条件がそろうと、冬季の雷雲の中で数秒から数分にわたって粒子加速とガンマ線放射が持続して起こるようです。雷雲中には強い磁場は存在せず、雷雲の内部に蓄えられた正電荷と負電荷がつくる「静電場」が粒子の加速を担っているはずです。 今回のプロジェクトでは、屋外に観測装置を設置して、雷雲で粒子加速現象が起きた時に放射されるガンマ線(可視光よりも1万〜100万倍くらい波長の短い光=エネルギーの高い光)の個数やエネルギーを測定することで、雷雲内での粒子加速領域のサイズや加速現象の時間的な変化を捉えたいと考えています。これにより、私達に身近な雷雲が、どのように「自然の加速器」として働いているのかを理解するとともに、宇宙空間の様々な場所で起きている粒子加速現象との関連性を調べる足がかりとします。 今回のプロジェクトは市民科学プロジェクトとして進めたいと考えています。得られたデータは、ウェブブラウザ経由でみなさんにも見ていただけるように整理します。日々生成される大量の観測データの中から、雷雲からのガンマ線放射現象を見つけ出す作業をみなさんにも協力していただけるようにします。イメージとしては、わたしも翻訳に参加した市民科学プロジェクトZooniverseの各サブプロジェクトのようなイメージです(過去記事「Planet Fourを翻訳しました」)。 クラウドファンディングプロジェクトが目標金額を達成して、観測装置の製作が進められれば、今年(2015年)の冬から観測を開始できる予定です。みなさんも一緒に雷雲の謎に迫ってみませんか! なお、今回のプロジェクトに際し、説明のための図やリワードのデザインをアダチ・デザイン研究室に協力いただきました。      

[Suzaku/Heasoft] XIS powerspectrum calculation

Uploaded an example code to calculate powerspectrum of time-sliced XIS data to this gist entry. Enjoy. View the code on Gist. This script generates PDF files something like…

【市民科学プロジェクト】Planet Fourを翻訳しました

有名なCitizen Science(市民参加型の科学研究)であるZooniverseのなかの沢山のプロジェクトのうちの火星表面の探査プロジェクト「Planet Four」を日本語版に翻訳しました。 Planet Four Planet Fourについて Planet Fourでは、火星探査機「Mars Reconnaissance Orbiter」のHiRISE (High Resolution Imaging Science Experiment)カメラで撮影した火星の極域の写真を調査の対象にして、参加者は写真の中から「扇型」の黒い模様をみつけます。この模様は、火星表面の二酸化炭素の氷(ドライアイス)の裂け目から、二酸化炭素ガスが噴出す時に、火星表面のチリを一緒に巻き上げたものだと考えられています。たくさんの写真についてガスが吹き流された方向を調べることで、火星の極域の風の流れを割り出すことができます。   これまでに世界中から12万人以上のユーザがこの研究に参加し、累計450万枚以上の写真について「扇型」の模様の調査がなされました。小中学校の理科の授業で、生徒と一緒に火星の探査をすることもできます(授業で使うことは推奨されています)。 Planet Fourの最新情報についてはPlanet Four Blogを参照してください。最近では火星表面のクレーターの分類プロジェクトもスタートしたようです。 なお、Zooniverseには宇宙に関連したプロジェクトばかりではなく、Snapshot Serengeti(タンザニアのセレンゲティ国立公園内の無人カメラに映った野生動物の分類・計数)やPenguin Watch(南極域のペンギンの分類・計数)のように、動物を対象にしたプロジェクトもあるので、いろいろな人の興味を引きつけています。とくにSnapshot Serengethiは人気で、新たなデータセットが公開されても数ヶ月で分類作業が完了してしまいます(2015年4月11日現在ではSession 8が完了していて、次のセッションまでのつなぎとして、Chicago Wildlife…

【Rubyで単位付き計算】X線fluxをluminosityに変換する例

Soki Sakuraiさんのruby-dimensionalを使うと、Rubyで単位付きの計算がとても綺麗にできます。 たとえば、X線天文でよく出てくる「地球で観測したfluxから等方的な放射を仮定したときのluminosity(光度)を求める」計算は以下のようにできます。(以下の例は、激変星GK Perのdwarf nova outburst時のある観測の0.5-10 keVのluminosityを計算したときの例) これを実行すると、以下のようになります。 ruby-dimensionalのインストール ruby-dimensionalのインストールについては、github上のマニュアルを参照してください。 Homebrewでパッケージ管理している場合は、コマンド2個で簡単にインストールできます。 メッセージにあるように、.bashrcや.bash_profileもしくは.zshrcに以下の行を追加しておいてください。 使い方 ライブラリの読み込み 物理計算を行うときはrequireメソッドで、以下の3個のモジュールを読み込みます。 ruby-dimensional ruby-dimensional-standard ruby-dimensional-physics Physicsという名前空間で定義されている変数をフラットな名前空間から使う場合は、 としておきましょう(上のサンプルではPhysics内の定義は参照していないので必須ではないです)。 使い方 基本的に数値は普通の数値として表記し、単位は:cmや:km、:erg、:J等、単位名の前に”:”をつけた形式で表記します。掛け算、割り算、べき上等は普通の感覚で記述できます。 上の例では としてflux(単位時間当たりに単位面積を通過するX線光子のエネルギーの和)を定義しています。:pcは「パーセク」という、天文学で使われる距離の単位です。 変数に格納した単位付き数値は、以下の様に別の式で使用することもできます。 単位付き数値を、特定の単位に換算したい場合、in(単位)というメソッドを使います。指定した単位の次元が、その単位付き数値の単位の次元と等しい場合、指定した単位で表記した時の数値が戻されます。 定義されている単位一覧 irbから読み込んで、UV.showAllUnits()を実行するとその時点で定義されている単位を確認できます。