Category: Space Science

Zynqを使ったデータ取得(DAQ)ボード

大学の同期でいまはJAXAの石川くんの、Zynqを使ったデータ取得(DAQ)ボードが論文としてでていました。 High-speed X-ray imaging spectroscopy system with Zynq SoC for solar observations, Ishikawa et al. 2017 (arXiv) 豪華にZynq XC7Z045を載せたベースボードに、ドーターボードとして200Msps/12bitのADCを載せたりできるようです。石川くんの実験では太陽フレアのロケット観測向けにCMOSセンサを読み出すそうです。すごいね。消費電力は11Wということなので、やっぱり上のクラスのZynqは消費電力が大きいですね。  

Space Tide 2015のビデオが公開されています

2015年10月26日に、Tokyo Design Weekの中で開催された、民間主導の宇宙開発についてのカンファレンス「Space Tide」のNVSさん配信のビデオがYoutubeで視聴できるようになっています。ぼくも参加したかったのですが、別の出張予定がはいっていてかなわなかったので、翌日見ました。NVSさんに感謝。 Google Lunar X Prizeの参加チームによるパネルディスカッション(民間主導で月面に探査機を送るプロジェクト)や、ロケット開発の話題もあります。日本のベンチャー企業によるロケット開発は、SpaceXとかOrbitalATKと比べると見劣りしてしまいますが、人工衛星(Axelspace)や探査機(HAKUTO; エヴァンゲリオンの槍に巻き込まれてネガティブなイメージを負ってしまったのは昔からのHAKUTOファンとしてはとてもがっかりでしたが、それでもミッションがエキサイティングなことには変わりありません)の開発ではフロンティアを開拓している状況。今後の展開も注目しています。

Thunder Cloud Project – クラウドファンディングによる雷雲の観測実験

【8/18 22:50の追記】すでに15人の方がサポートを表明してくれています!ありがとうございます。 突然ですが、8月17日から大学時代の研究室の先輩 榎戸輝揚さん(現在 京都大学)とクラウドファンディングのプロジェクトを始めました。普段は人工衛星を使って宇宙の観測をしている二人が、日本海側地域の冬の雷雲の中で起きている「静電場による粒子加速とガンマ線放射」という不思議な現象に、観測実験から迫る研究プロジェクトです。今回のプロジェクトを3分で解説したビデオを作成して、リンク先のプロジェクトページで公開しているので、ぜひご覧ください。ぼくは、ガンマ線検出器の電子回路の設計・製作と観測データ処理のためのソフトウエア開発を担当します。 このプロジェクトでは、学術系クラウドファンディングサイトの「アカデミスト」のプラットフォームを利用し、2015年8月17日〜10月15日の60日間にわたって、目標金額100万円を設定して皆さんからのご支援を募っています。いただいたご支援は、ガンマ線観測装置の製作や観測を実施する石川県もしくは福井県の実験場所への旅費などに使わせていただきます。支援金額によって、特製のクリアファイルやマグカップ、USBメモリなどさまざまリワードが用意されています。詳細はリンク先でチェックしてみてください。 Thunder Cloud Project / アカデミスト   以下、やや長いですが、背景の解説です。 「粒子加速」は、宇宙空間の様々な場所、たとえば太陽表面での爆発現象(フレア)や、中性子星(直径10kmで地球の45万倍くらいの質量という超高密度の星)の近くなどで、電子や陽子が高速に近い速度まで加速されていることが知られています。宇宙空間で加速された粒子(宇宙線)の一部は地球にも到達して、1分間に数百個くらい私達の体を突き抜けています(ただし、大部分は飛んできた宇宙線そのものではなく、宇宙線と地球大気の原子がぶつかって生成されるμ粒子)。宇宙空間で起きている粒子加速では、粒子へのエネルギー注入に「磁場」が大きな役割を果たしていると考えられています。 また、人工的には理研のRIBFやCERNのLHCに代表される「粒子加速器」の中で起こすことができます。一方で、宇宙空間や加速器の内部と比べると、大気中では、加速された粒子にとってエネルギーロスの原因となる大気分子がたくさん存在します。そんな状況の中でも、特定の条件がそろうと、冬季の雷雲の中で数秒から数分にわたって粒子加速とガンマ線放射が持続して起こるようです。雷雲中には強い磁場は存在せず、雷雲の内部に蓄えられた正電荷と負電荷がつくる「静電場」が粒子の加速を担っているはずです。 今回のプロジェクトでは、屋外に観測装置を設置して、雷雲で粒子加速現象が起きた時に放射されるガンマ線(可視光よりも1万〜100万倍くらい波長の短い光=エネルギーの高い光)の個数やエネルギーを測定することで、雷雲内での粒子加速領域のサイズや加速現象の時間的な変化を捉えたいと考えています。これにより、私達に身近な雷雲が、どのように「自然の加速器」として働いているのかを理解するとともに、宇宙空間の様々な場所で起きている粒子加速現象との関連性を調べる足がかりとします。 今回のプロジェクトは市民科学プロジェクトとして進めたいと考えています。得られたデータは、ウェブブラウザ経由でみなさんにも見ていただけるように整理します。日々生成される大量の観測データの中から、雷雲からのガンマ線放射現象を見つけ出す作業をみなさんにも協力していただけるようにします。イメージとしては、わたしも翻訳に参加した市民科学プロジェクトZooniverseの各サブプロジェクトのようなイメージです(過去記事「Planet Fourを翻訳しました」)。 クラウドファンディングプロジェクトが目標金額を達成して、観測装置の製作が進められれば、今年(2015年)の冬から観測を開始できる予定です。みなさんも一緒に雷雲の謎に迫ってみませんか! なお、今回のプロジェクトに際し、説明のための図やリワードのデザインをアダチ・デザイン研究室に協力いただきました。      

NuSTAR Cycle 1 Accepted Targets released

エネルギーの高いX線の撮像・分光観測を特徴とするNASAのX線天文代NuSTARの第1期公募観測の採択天体が公開されています。 NuSTAR Cycle 1 Results ぼくが申請した白色矮星連星GK Perseiの観測は辛くもCategory C(50%確率で観測実行)で採択でした。他にも日本人研究者の申請が何件か採択されています(Enotoさん、Category Aおめでとうございます!)。

【宇宙】X-ray Universe 2014のスライド公開ページ

2年に一度開催されるヨーロッパ宇宙機関(ESA)のX-ray UniverseというX線天文学の国際会議があるのですが、6月に開催された2014年分の発表スライドとポスターがカンファレンスのウェブサイトで公開されています。 ぼくは今回は参加できなかったのですが、とても面白そうな発表がおおく、スライドを見ているだけでも参考になります。2012年に打ち上げられたアメリカのNuStar衛星の観測結果も続々と報告されていて、エキサイティングです(NuStarは10 keV以上の硬X線とよばれる、いままで検出が難しかった光も、鏡で集光することで高感度のイメージングができるのが特徴)。 なお、やや旧聞ですが8/27にNuStarのはじめてのGuest Observer Program (GO1)がアナウンスされています(世界に開かれた天文台として観測提案=プロポーザルを受け付けて、ピアレビューによって準位付けをして、上位のものだけが採択されて実際に観測されるというプログラム)。プロポーザルの締め切りは2014/11/27。ぼくは今日、最初のプロポーザルを書き終えました。できればもう一つ用意したいところです。

【宇宙機】ERGの打上年度変更(FY27→FY28)

JAXA宇宙科学研究所がリードして建造中のジオスペース探査衛星「ERG」(イプシロンロケット2号機で打上予定)について、2014年8月27日の第15回宇宙科学・探査部会の資料で打上年度の変更が報告されています。搭載機の課題解決のため、平成28年度打上に再設定されるようです。挑戦的ミッションにおいて、事前に予見できない課題 がプロジェクトの途中で顕在化することが珍しくないことは、大型の開発プロジェクトを経験したことがある方には、宇宙科学にかぎらず分野を超えて理解できると思います。(もうさんざん頑張っておられると思いますが、、、)プロジェクトの皆さんにはぜひ頑張って課題を解決していただき、美しいイプシロンの打上げがはやく見られることを願います。 興味のある方向けに資料へのリンク、プロジェクトの紹介ページをまとめておきます。国民全体で宇宙科学を応援しましょう。 資料1 – 宇宙科学探査部会 第十五回 資料1 (2014/08/27) 宇宙政策委員会の会合履歴・資料へのリンクのページ ジオスペース探査衛星ERG (JAXA公式ページ) ジオスペース探査衛星ERG (宇宙科学研究所のミッション紹介ページ) ERGミッションについて- 宇宙科学研究所 宇宙プラズマグループ [tmkm-amazon]9784873116396[/tmkm-amazon]