下川裕治/世界最悪の鉄道旅行 ユーラシア横断2万キロ
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ほとんど移動することが目的になっている旅行本。ロシア、中国、中央アジアくらいまでは、切符の買い方や列車の進み方、駅での停車の仕方について延々と記述して字数を稼いでいるわりに、ヨーロッパに裂かれるページ数は少ない。文化や地理的な特徴についての言及は少なく、これまでの下川さんの本が好きな読者に、同じようなテイストの移動記録を提供することだけが目的のようにみえる。普通の人はこの本を読んで、旅行に出たいなと思わないんじゃないでしょうか。せっかく数ヶ月の時間をかけるのだから、それぞれの通過国についてもう少し関わり合いをもって、もう少し文章の深みを増やせればおもしろいのに、と感じた。
関係ないですが、最近tanuroくんことsatoくんが、ブログに書評を掲載しています。ぼくが好きなジャンル(紀行文やエッセイ)より幅広い本と出会いたい人はこちらを参照してください。
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