【読んだ本】竜田一人/いちえふ(1)

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前から読みたいと思っていた漫画です(第34回MANGA OPEN大賞を受賞)。発行は2014年4月。2012年に半年間、福島第一原発の構内で働いた作者の体験記。現実をドライに描いた部分と、著者の熱い思いが込められた部分が意図的に切り分けられていて読みやすいです。原発の構内で働けるようになるまでの紆余曲折を、読者も追体験できるような構成にしつつ、多重下請け構造の現実を上手に表現しています。総じて、非常によい作品で、多くの人に読んでもらいたいです。ネット上では脱原発運動に対する敵愾心を非難する意見も見かけますが、どのように描いても文句を言う人がいるテーマにおいて、本作はいいバランスを保っていると思います。むしろ「マスコミや一部の運動家があおり立てる根拠のない陰謀説を信じ込んだり、無知を正当化したりしていないで、自分でよく勉強しましょう」という主張と読み取りました。

MANGA OPEN大賞を受賞したときの作品が、第零話「ご安全に!」としてモーニングのウェブ上で無料で公開されています。必読。

第2巻の発売は2014年秋となっているので、出たら読んでみようと思います。