NuStarによる太陽からの硬X線線の観測結果
CaltechのNuStarのページに、Sun Sizzles in High-Energy X-Rays というタイトルの記事が出ています。硬X線帯域での集光撮像ができるNuStarの特徴を活かし、硬X線帯域で太陽のイメージングを実施しました。撮影されたイメージ(緑・青)が、SDO (Solar Dynamics Observatory) による紫外線帯域での撮像結果(オレンジ)と重ねて表示されています。
掲載されている画像の説明ページには色づけの説明がされており、NuStarのイメージは緑色が2-3 キロ電子ボルト(keV)、青色が3-5 キロ電子ボルト(keV)のエネルギーのX線のカウント数を表しています。だいたい3百万度以上の電子を含むプラズマから放射されるX線を観測していることになります。
NuStarは普段は遠方(近くても数百光年、遠い物は数百万〜1億光年以上)の天体を観測しているのですが、太陽も観測できたというのは人工衛星のシステム設計上も興味深いです。
なお、日本の「ひので」衛星もX線望遠鏡XRTを搭載していて、常時太陽を観測しています。XRTの性能紹介ページによると観測帯域は波長で0.6-20 nm (エネルギーにして0.06-2キロ電子ボルト)。NuStarのイメージの緑色で示される帯域より少し低いエネルギーをカバーしています。