【読んだ本】高城 剛/人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか スペイン サン・セバスチャンの奇跡

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スペインの観光産業の要点と、近代スペイン料理の流れが勉強になりました。すっきりまとまっていて1時間くらいで読み切れました。スペインはまだ行ったことがないのですが、訪れる機会があったらサンセバスチャンで食事してみたいですね。

  • スペインが観光立国(年間受入数6000万人、日本人は毎年35万人程度)になった道筋。
  • 1970年代のフランスのnouvelle cuisineに影響を受けて発展したサンセバスチャンの料理の特徴の解説。
  • フレンチや和食では師弟関係のもとに目で見て盗む、すたいるで継承されている調理法・レシピを互いに教え合う・オープン化するというアプローチ、新しい料理法(分子料理; Molecular Gastronomy)や海外のうまいもの(日本のコンブ菓子も)を積極的に取り込む柔軟性、でも地元の土地や食材へのこだわりを忘れない姿勢。
  • せっかくの観光資源をもちながら誰に何を遡及しているのか分からないゆるキャラを乱発する日本の地方自治体、訪日客の階級の別を意識した受け入れ態勢の不備、観光庁 の的を射ない観光客誘致戦略への言及。
  • 金沢(クラフト&フォークアート部門)・名古屋(デザイン部門)とともにCreative Cities Networkに選ばれているビルバオ(デザイン部門) (ガストロノミー部門には鶴岡市が入っています。うーむ、なぜ。)

関係ないですが、北陸新幹線の開業に向けていろいろなメディアで紹介されている神サイト「美しい金沢・加賀・能登・石川県の観光情報マガジン Beauty Hokuriku」で紹介されている旅行のモデルコースや料理をみてもらうと(そして実際現地に行って体感してもらうと)分かると思いますが、金沢はCreative Cities Networkのガストロノミー部門にも余裕で入れるポテンシャルがあると思います。最近何度か金沢に行っているのですが、新幹線開通でアクセス性が向上することで、金沢・能登の良い点が多くの人に「再発見」されることを期待。

20150131 読了