【市民科学プロジェクト】Planet Fourを翻訳しました

有名なCitizen Science(市民参加型の科学研究)であるZooniverseのなかの沢山のプロジェクトのうちの火星表面の探査プロジェクト「Planet Four」を日本語版に翻訳しました。

Planet Four

Planet Fourについて

Planet Fourでは、火星探査機「Mars Reconnaissance Orbiter」のHiRISE (High Resolution Imaging Science Experiment)カメラで撮影した火星の極域の写真を調査の対象にして、参加者は写真の中から「扇型」の黒い模様をみつけます。この模様は、火星表面の二酸化炭素の氷(ドライアイス)の裂け目から、二酸化炭素ガスが噴出す時に、火星表面のチリを一緒に巻き上げたものだと考えられています。たくさんの写真についてガスが吹き流された方向を調べることで、火星の極域の風の流れを割り出すことができます。

これまでに世界中から12万人以上のユーザがこの研究に参加し、累計450万枚以上の写真について「扇型」の模様の調査がなされました。小中学校の理科の授業で、生徒と一緒に火星の探査をすることもできます(授業で使うことは推奨されています)。

Planet Fourの最新情報についてはPlanet Four Blogを参照してください。最近では火星表面のクレーターの分類プロジェクトもスタートしたようです。

なお、Zooniverseには宇宙に関連したプロジェクトばかりではなく、Snapshot Serengeti(タンザニアのセレンゲティ国立公園内の無人カメラに映った野生動物の分類・計数)やPenguin Watch(南極域のペンギンの分類・計数)のように、動物を対象にしたプロジェクトもあるので、いろいろな人の興味を引きつけています。とくにSnapshot Serengethiは人気で、新たなデータセットが公開されても数ヶ月で分類作業が完了してしまいます(2015年4月11日現在ではSession 8が完了していて、次のセッションまでのつなぎとして、Chicago Wildlife Watch(シカゴ近郊の野生動物)という別プロジェクトが紹介されています)。

Snapshot Serengeti

Penguin Watch

Chicago Wildlife Watch

今後も時間のあるときに他のプロジェクトの翻訳を手伝ってみたいと思います。英語とサイエンスに興味のある人は、ボランティアとして名乗り出ると翻訳作業を手伝うことができます。