【読んだ本】高城剛/世界はすでに破綻しているのか?

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高城さんの本の定番のテーマになっている、デフォルトした国・都市の話を、時代背景と時系列で振り返る本。 主に取り上げられるのはソ連、1997年の通貨危機に見舞われたアジア(タイ、韓国)、アルゼンチン、スペイン・ギリシャ・キプロスのユーロ圏、デトロイト。

とくにユーロ圏とデトロイトの話は最近もしくは現在進行形の出来事のため、読んでいて勉強になります。アメリカに行って感じる「車がないと何もできない感」は日本の田舎のそれとは比べ物になりませんが、デトロイトでは大手の自動車メーカーの圧力によって公共交通機関が廃止・縮減され、他の都市と比べても低所得者層のモビリティが低下していたことが、治安の悪化と富裕層の人口流出、税収の減少と破綻へつながったというのは教訓的な話です。

専門書ではないのでエピソードをつまみ食いするだけで、定量的な勉強にはならないのですが、「第二次世界大戦のときナチスに攻め込まれた経験や、滞在地にあまりお金を落とさないドイツ人の夏のバカンスの過ごし方に対する不満から、最後まで支援を渋るドイツに対してギリシャ国民が抱く反感」など、ロングタームで問題の関連性をおさらいすることができる良本でした。

20150425 読了

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