【読んだ本】長沼 毅/世界をやりなおしても生命は生まれるか?
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本屋で見つけて、タイトルに惹かれたので、珍しく文庫や新書でない本を買ってみました。が、結論からいうと、この本も「なぜ○○は■■なのか」系と同様に、タイトルとは関係のない話がだらだら書かれた、中身の薄い本でした。広島大学の先生なのに、タイトルだましのような手法でこのクオリティの本を売るのは品がなく、残念です。
内容は、著者が高校生向けに行ったインタラクティブセッションのまとめ。著者がお気に入りの(著者の本にくりかえし登場する)チューブワームという生物の話や、(いろんな本にすでに書かれている)宇宙のエントロピー増大の話が中心で、「 世界をやりなおしても生命は生まれるか?」というタイトルの周辺的な側面をなぞっているだけです。「そもそも生命とは何か」という、定義論に焼き直して論点をすり替えているところも印象が悪いです。Amazonのレビューでも
氏の過去の著作の焼直しです。真新しさが無くてがっかりです。
と書いている人がいますが、ぼくも同じように感じました。自分が研究してきたことを大きな問題とからめて話しているだけで、タイトルに書かれた問題に直接答えようという姿勢が見えません。タイトルのような問題が好きで、普段から妄想を繰り広げているような人は、この内容では満足できないと思うので買わない方がよいと思います。
この本そのものとは関係ありませんが「 世界をやりなおしても生命は生まれるか?」という問題に関連する話題。昔、伊集院光さんの深夜ラジオで『理論上、地球人全員が両手に2リットルのアミノサプリを持って2日間振りつづけるとそのうち1本に生命が誕生する計算になる。』というネタはがきがあって、大笑いしたのを覚えています。生命のスープが何か、最初の生命をつくるのに必要だった刺激が何かがわかれば、このネタもまったくのでたらめということにはならないのかもしれません。(検索してみると、何事も記録を取ってくれているありがたい人がいるもので、2003年10月27日放送の「ウソチクの泉」というコーナーのはがきだったようです http://numbers2007.blog123.fc2.com/blog-entry-364.html )