【読んだ本】僕たちの前途

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だから日本はズレている」と「上野先生、勝手に死なれちゃ困ります」に続いて、古市さんの本。「セーフティネットを拡充して、すべての人がやりたい仕事にチャレンジできるようにしましょう」というのが最後に書かれた著者の主張なのですが、そこにたどり着くまでがだらだら長い。結論への道のりの大部分は、自分が一緒に働いている人の紹介と、その人たちを通じて知り合った「やりたいことをやっていたら、ビジネスにも成功した若者たち」のサクセスストーリー。そこに、古市さんががんばって調べて読んだ多数の文献への参照が、余裕を装いながらちりばめられていて、その強がりはもはやかわいいと思えるレベル。駒場〜本郷時代に、自分とのあまりの感性と文系的能力の違いにぼくが憧れた「表象文化論に進学するマジですごい人たち」みたいになりたいんだろうな、と。

で、ISBNをコピーペーストするためにamazonのページを開いたら、思ったよりレビューのスコアが悪かったので投稿されているものを読んでみたら、「商魂は認めるが内容は無い」とか「名前を落とすような安易な出版」とかヒドイ言われよう。一方で、「『絶望の国の幸福な若者たち』ほどのインパクトはない。」という人もいて、ということは、『絶望の国の幸福な若者たち』はもっと面白かったのでしょうか。次はこちらをを読んでみようと思います。

20140906読了。